セルフネグレクトは、自分に無関心な状態、いわゆる放置することとされています。「ネグレクト」は自分の子どもに対する無関心（育児放棄）を表した言葉ですが、セルフネグレクトは自分に向けられた「無関心」の状態を表しています。

セルフネグレクトになった場合、自分に関係するあらゆる事柄がどうでもよくなり、人間関係も希薄になります。やがて衣食住も満足に行えない状況に陥り、家の中も荒れ放題に。そして、高齢の方や持病を持つ方の孤独死につながっていく社会問題となっています。

セルフネグレクトの原因は、人それぞれと考えられていますが、精神的な孤独感が主な引き金とされています。例えば、死別、離婚、職場の人間関係、病気、突然負ったケガや経済的困窮など、引き金となるできごとから無気力感を生じ、やがてセルフネグレクトに陥るのです。

セルフネグレクトは誰にでも起こりえる問題であるため、社会全体でセルフネグレクトを防ぎ、孤独死へ向かおうとする方に歯止めをかける対策が必要とされています。

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セルフネグレクトの問題は解決が困難です。なぜかというと、そもそもセルフネグレクトに陥っている方は周囲とのかかわりを断ち切っている場合が多く、発見しづらい面があるからです。その方の周囲には家族や友人もいないため、そうした状況になっていることに誰も気づいてくれません。

また、運よく誰かに見つけてもらっても、介入を拒もうとするのがセルフネグレクト状態にある方の特徴です。「何もやる気がおきない」「どうしようもない」「放っておいてほしい」と拒む方もいれば、「今さら何をいっているの？」「こうした状況になったのは社会のせいじゃないか！」と怒って拒絶する方もいらっしゃいます。

加えて、セルフネグレクトは画一的に扱えない問題である点も、大きなポイントです。つまり、こうしたら十中八九救い出せるというメソッドが確立されていないのです。その理由は、原因の多様性にあります。仕事を失った、パートナーと死別した、罹災したなど、セルフネグレクトになった原因が違えば、それぞれの対応策も違ってきます。そうした多様性が、セルフネグレクト問題の解決における障壁になっているといえます。

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